地域福祉実践賞、児童健全育成賞 旭川2現場
労協ワーカーズコープ・センター事業団旭川地域福祉事業所の「みんなのおうち トクさんの家」(諸澤郁子所長)が第7回北海道地域福祉学会優秀実践賞、「旭川神楽児童センター」の青塚美幸館長が一般財団法人児童健全育成推進財団の第49回児童健全育成賞を受賞しました。

北海道地域福祉学会優秀実践賞 みんなのおうち トクさんの家
これからの地域社会のモデル
児童健全育成賞 神楽児童センター
さまざまな連携取りサポート
北海道地域福祉学会優秀実践賞は、1月27日に2団体の受賞が発表されました。「みんなのおうちトクさんの家」は、「地域共生型の常設の居場所として先駆性」「できることをできるときにできる分だけを大切にしている点で発展性」が認められると評価されました。
児童福祉施設、地域組織等の児童健全育成に関する優れた実践報告を褒賞する「児童健全育成賞」は「佳作」が優秀賞。神楽児童センター・青塚美幸さんが応募した「中学生Aちゃんとの居場所づくり―出張児童館マチデコ*キッズの挑戦―」はさまざまな連携を取ってのサポートだと佳作に選ばれ、3月25日に発表されました。
地域の「場」創りたいの思いから「また来るね」の言葉に意欲
トクさんの家 諸澤郁子

「拠点があれば何でもできる」(当時の平本哲男本部長)の言葉に突き動かされ、地域の「場」を創りたいという思いから始まったみんなのおうち。さまざまな人との出会いや協力があってこその現在です。縁とタイミング、すべてが偶然のような必然だったのかもしれません。これまでは苦労というより感謝の思いが大きく、協力ボランティア・ハートフレンドや仲間、地域の皆さんの協力があって今があります。
推薦してくださった畠山明子先生(星槎(せいさ)道都大学)は開所式にも参加、注目してくださった方の一人です。これからの地域社会のモデルにもなるとおっしゃて下さいました。
これまで特別なことをしてきたという意識はなく、利用してくださる皆さんの「ここが好きなの」「楽しみなの」「また来るね」の言葉に次への意欲が起き活力となっています。
現在、プチ食堂、認知症予防教室、スマホ相談室、サロンを行っており、今年度は体操教室やポール・ウォーキングなども開催予定です。利用者の皆さんや地域の皆さん、仲間と共にこれからも歩んでいきたいです。
子どもたちへの想いが子どもを変え、地域を変えることができる
旭川児童館 青塚美幸

あれから幾年か経過しましたが、当時のAちゃんの姿、仲間との時間、こみあがる感情など、思い出すと胸が熱くなります。
当時は無我夢中で、自分たちが何故やっているのか、何に突き動かされているのか考えもしませんでしたが、実践文を書くにあたり、自分たちがやることの意味や、Aちゃんはじめ、目の前の子どもたちへの想いを何度も何度も振り返り、確認していきました。
今でも、自分の想いや支援方法は間違っているのではないかと悩み、迷う日々ですが、いつも「もっとこうすればいいんだ」「これでよいんだな」と想いを一致させることができる仲間がいることは、本当に幸せだと感じています。
この実践では、そういった子どもたちへの想いが子どもを変え、地域を変えることができるんだ、ということを示せたのが何よりうれしいです。
そして、今の私たちをつくりあげてくれたAちゃんとの出会いにも感謝です。
「トクさんの家」推薦理由から
「できることをできるときにできる分だけ」を大切にが持続の原動力
先駆性 ワーカーズコープ旭川は2015年4月に児童センターの指定管理を受け、さまざまな背景のある子どもの存在を知った。そのことが、子ども食堂や自立援助ホーム、障害児のデイサービスの開設につながっている。また、みんなのおうちでは、地域食堂やイベント等で障害児と地域住民が交流する機会や元気高齢者がボランティアとして活躍する、地域共生型の常設の居場所として先駆性が認められる。
独創性 事業を始める際、地域住民と何度も話し合いを重ね、地域福祉課題を受け止めて解決に結び付けてきた方法には独創性がある。子ども食堂スタートにあたっては、子どもの貧困対策推進法に関する勉強会を行い、関わるメンバーが共通認識を持った上で取り組みを始めている。
主体性 地域福祉活動に不可欠な拠点の確保において空き家を活用、光熱費等の日常的な経費の創出も、物販売り上げ等をプール、地域食堂はフードバンクやつながりのある農家、コンビニエンスストア等から無償・安価に譲り受けるなど自助努力であることは、独立した団体として主体性の高い取り組みといえる。
発展性 活動はワーカーズコープのスタッフが兼務し、ボランティアとも定期的な打ち合わせの機会を持ち、活動の振り返りや収支報告を行っている。ボランティアの高齢化等も課題となっているが、スタッフもボランティアも「できることをできるときにできる分だけ」を大切にしている。このスタンスは地域福祉活動を持続させていく原動力であり、発展性において重要な条件になる。
「神楽児童センター」審査委員の感想から
愚直に取り組む様子が分かる
・0歳から18歳までの長い間にわたって支援が可能な児童館ですが、色々な課題を抱えたこどもたちのためにさまざまな連携を取りながらサポートしていく実践記録であることを高く評価しました。
・当該児童の支援に愚直に取り組んでいく職員らの様子が分かりました。学校等を巻き込んでいく取り組みであり、単なる当事者支援を受けるだけにしない取り組みは特筆すべきところがあります。
・児童館のソーシャルワークを言語化した実践記録であり、素晴らしいと思いました。
(引っ越したAちゃんのための「出張児童館」、校長先生との出会い、「こどもが語る居場所」フォーラムなどを振り返り、「児童館が子どもや保護者の絶対的な味方となり、地域からも誇りにされるよう、子どもたちの声を地域にも届け、子どもたちの想いを具現化させていきたい」と論じた。)