全国協同集会 若者の参加焦点に第1回懇談会 新たな社会の構築へ 労協法時代の初集会
5月7日に開かれた、全国協同集会(中央集会)第1回懇談会には、ワーカーズコープ連合会、日本社会連帯機構、センター事業団、協同総合研究所をはじめ、ワーカーズ・コレクティブ ネットワーク ジャパン(WNJ)、若年層の政治参加を高めることを目的に活動する「NO YOUTH NO JAPAN」(NYNJ)のメンバー、人や地域の幸せを大切にする経済の普及を目指す「一般社団法人公共善エコノミー」の代表、日本農業新聞の記者、学識経験者など30人あまりが参加しました。(専務理事 田嶋康利)

ワーコレ、若者団体、学識経験者などと意見交換
全国協同集会の開催は、労働者協同組合法施行後初めて。2019年の神奈川以降、コロナ禍などで実施が見送られてきましたが、今年が国際協同組合年(IYC2025)であることを踏まえ、改めて「協同」の価値と可能性を見つめ直し、これからの社会のあり方を共に考える場として開催するものです。
テーマは、「未来と希望のために協同を問う ローカルなつながりが創る新しい社会の構築と実践へ」。
協同の未来と希望を若い世代とともに
ワーカーズコープ連合会古村伸宏理事長が集会の歴史や位置づけ、意義について説明し、その後、参加者が自己紹介。意見交換では、「若者の参加をどう募っていくのか」を主なテーマに議論しました。
WNJの藤井恵里代表は「WNJも11月末に全国大会を開催するが、広く若者の参加を募っていく。4月に開かれたアースデイ東京では、若者との交流企画に参加し、大いに刺激を受けた。全国集会が出会いの場となり、学びや気づきの場になることを期待している」。
公共善エコノミーの清水菜保子代表は、「集会のテーマに『希望』を掲げている点が非常に良いと感じた」と述べ、さらに、経済人類学者で欧州グリーン・ニューディールの諮問委員でもあるジェイソン・ヘッケルの著書『資本主義の次に来る世界』を引きながら、「もはやアメリカは未来のモデルにはなりえず、ヨーロッパも同様」と指摘。
そのうえで、「アジアにおける日本のあり方には課題もあるが、世界的に見れば、日本には地域に根ざした協同の取り組みが脈々と受け継がれており、それが希望の源になる」と語りました。
駒澤大学松本典子教授は、「広い世代に参加してもらおうとすれば、懇談会の開催時間の工夫も必要。ワーカーズコープで働く若者や、30~40代の人たちが懇談会に参加するようにしていけたらと思う。若者が企画にも関われることが重要」と指摘。
今年4月に日本農業新聞社に入社したという記者の方は、「大学の農学部で農業経済を学び、協同の理念に共感し入社。集会が若者に協同の必要性を伝える契機になれば」と発言。
NYNJの足立あゆみ代表理事は、「若い世代が参加したくなるにはどうすればよいか、どのようなテーマや分科会の構成が関心を引くのかなど、団体内で意見を持ち寄って検討していきたい」と語りました。
中央集会と前後し、地方でも
ワーカーズコープ連合会は、激変する世界・社会・経済の中で「協同の意味」を問い直す場として、1987年から全国協同集会を開催してきました。
これまでの集会では、終了後に実行委員や企画・運営に携わった団体・個人の有志を中心に、協同労働を推進するネットワークづくりなどの取り組みも展開されてきました。
今回の全国協同集会は、「国際協同組合年(IYC2025)」の全国実行委員会認定事業として開催。中央集会の前後には、地域ごとの課題やニーズに応じてテーマを設定した地域版集会も各地で計画されており、多様な住民や関係者が対話と行動を重ねることで、ローカルな「協同」の輪を広げていきます。
次回の懇談会は6月上旬に開きますが、今後、さらに広く参加を呼びかけながら、開催の趣旨文や過去の集会の歩みなどを参考に、集会の企画・運営のイメージや方法について話し合いを重ねていく予定です。
とりわけ、若者の参加ついては、具体的な方策を検討・実施していくことにしています。
過去の全国協同集会
第 1回 1987年 静岡県・伊東市
第 2回 1989年 東京都・杉並区
第 3回 1990年 東京都・千代田区
第 4回 1992年 京都府・京都市
第 5回 1994年 愛知県・名古屋市
第 6回 1996年 宮城県・仙台市
第 7回 1998年 広島県・広島市
第 8回 2000年 東京都・小金井市
第 9回 2002年 福岡県・北九州市
第10回 2002年 千葉県・千葉市
第11回 2004年 長野県・長野市
第12回 2006年 兵庫県・神戸市
第13回 2008年 新潟県・新潟市
第14回 2010年 香川県・高松市
第15回 2012年 岩手県・盛岡市
第16回 2012年 埼玉県・さいたま市
第17回 2014年 福岡県・福岡市
第18回 2017年 滋賀県・大津市
第19回 2019年 神奈川県・横浜市