センター・仙台けやきの杜 なくなるのなら自分たちでつくろう 事業所内保育事業で「おひさまの杜保育園」

おひさまの杜保育園園長 結城香織

 4月から仙台市で「おひさまの杜保育園」(労協ワーカーズコープ・センター事業団仙台けやきの杜地域福祉事業所)がスタート。長町病院から委託されて運営していた院内保育園が、病院の経営悪化のため閉鎖と告げられ、ワーカーズコープの事業所内保育事業として、院内保育の場所を借りての運営です。おひさまの杜保育園園長結城香織さんの報告です。

全組合員集会で「地域に選ばれる保育園を」
  
仲間の賛同得て立ち上げ

おひさまの杜保育園の仲間たち。後列左から、保育士の松本貴子さん、白坂むつきさん、高橋一美さん、渡邉牧子さん、調理員の横山康江さん、所長の瀬戸理音さん。前列左から、保育士の梅津ゑみ子さん、遠藤真季さん、佐藤桜那さん、園長の結城さん、保育士の大森美咲さん、栄養士の岩城瑛奈さん

 

 私たち「おひさまの杜保育園」の組合員は、約1年半ほど前、病院から経営悪化に伴い院内保育の存続が難しいと告げられ、先の見えない未来に不安を感じていました。

 「今いる子どもたちの居場所をなくしたくない」「自分たちの居場所も守りたい」

 病院側との協議を重ねる度に私たちの思いが募り、「なくなるんだったら自分たちで立ち上げよう!」と気持ちが一つになりました。

経営シミュレーションも作成し

 事業所内保育事業(小規模保育A型で従業員枠6人、地域枠6人)を活用して立ち上げることにしましたが、25年4月から保育園を始めるためには、24年5月末までに市に申請しなければなりません。

 急いで、けやきの杜全組合員集会を行い、みんなから意見を聞くと、「お金をかけてまでやらなくてもいいんじゃないか」「保育士は集まるの?」「児童館も人員不足だから異動したら」などの意見も。

 おひさまの組合員4人は一人ひとりが「地域に選ばれる保育園をつくっていきたい」などと訴え、けやきの杜の経理主任が3年の経営シミュレーションを作成し、成り立つことを説明してくれました。その結果、けやきの杜全体の未来を見据えて仲間たちが賛同してくれ、保育園立ち上げに向けて動き始めました。

家賃は病院関係者の利用料と相殺

 病院とは、従業員枠のうち2人分は病院が利用できるようにし、1人分の保育代を利用があろうがなかろうが家賃と相殺(そうさい)という形にすることで合意。

 認可の基準をクリアするため調理室をつくるなどの改装工事が必要で、病院の許可をとりながら設計士とやりとり。書類の作成も細かくて……。

 一つひとつ大変でしたが、瀬戸理音所長、南東北事業本部の池田道明副本部長が、病院との協議、市との相談への同行や、事前協議書の作成など、最初から最後まで支えてくれました。

 保護者の方は新しい保育園になることをとても楽しみにしていて、改装工事中でも4人の子どもがいましたが、仮保育室が狭い会議室でも不満も出さず温かく見守ってくれました。

 こうして迎えた4月5日の入園式は、可愛らしいお洋服をきて少し緊張している子どもたちのそばで温かく見守っている保護者の姿が微笑ましく、これまでの色んな場面が思い出され感無量で涙が出そうになりました。病院職員や関係者の方たちがたくさん見学にきてくれています。

 現在仲間は11人、子どもは5人に。子どもたちの居場所「みんなのBASE」に孫たちと遊びに来てくれていた利用者が調理員に。非正規公務員の契約が切れるタイミングだったので、声をかけて仲間になってもらいました。

 おひさまの杜保育園は始まったばかりです。これからみんなで力を合わせて歴史をつくっていきます。

0歳児はイチゴ、1歳児はバナナ、2歳児はメロンと、旗を掲げてクラスと担任を紹介。クラス名は子どもたちが大好きな絵本「だるまさんシリーズ」から

仙台けやきの杜地域福祉事業所

 2008年に仙台市連坊小路マイスクール児童館の指定管理者になったことからスタート。

 現在9つの児童館と1つの子育て広場を指定管理者として運営し、子どもたちの居場所「みんなのBASE」を自主事業として設置している。おひさまの杜保育園は2つ目の自主事業。就労者数約150人、組合員約100人。不登校の子を持つ親との交流、子ども食堂などの社会連帯活動も活発に行っている。

22年7月のけやきの杜全体で開いた『SDGsフェスタ~誰でもできるよ身近なことから~』