国際協同組合年に当たり協同組合の振興を図る決議 社会課題解決へ 期待込め国会が採択
「国際協同組合年に当たり協同組合の振興を図る決議」が、5月27日の衆議院本会議、28日の参議院本会議でそれぞれ賛成多数で採択されました。協同組合に関する国会決議は初めてのこと。(本紙 炭谷)
ポイント
・政府はICAが定めた協同組合の定義、価値、原則を尊重する
・政府は協同組合を持続可能な地域づくりの有力な主体に位置付ける
・政府は民間非営利組織の役割を重視し、協同組合の発展に留意する
決議では政府に対し、①ICA(国際協同組合同盟)声明で定められた協同組合の定義、価値及び原則を尊重する、②協同組合を持続可能な地域社会づくりにおける有力な主体として位置付ける、③民間非営利組織の役割を重視し、協同組合の発展に留意することを求めています。
衆院本会議では、協同組合振興議員連盟の事務局長で、協同労働推進議員連盟幹事長代理の小山展弘議員が趣旨を説明。採択後、三原じゅん子内閣府特命担当大臣は、「今後さらに、社会課題の解決に向けた、協同組合の取り組みが加速するよう、決議の趣旨を受けとめ、取り組んでいく」と表明しました。

協同の営み紡ぎ、縦横に連帯する地域を
ワーカーズコープ連合会古村理事長が談話

今回の決議は極めて意義深く、日本の協同組合における自己認識をアップデートする契機としたい。
協同組合の最大の特徴は、組合員一人ひとりの主権意識、参加意識、そして共に生きているという感覚の醸成であり、すべての人々の自発性と協同する営みをエンパワーメントする可能性を有している。
国際協同組合年を、社会全体が「協同を問い直す」年とし、自然を基盤とした食・エネルギー・ケアの中から、協同の営みを紡ぎ出し、手ごたえのある「小さな協同」が縦横に連帯する地域と社会へ構造転換を進める契機としたい。
決 議 全 文
国際連合は、2023年12月の総会において、協同組合を振興し、持続可能な開発目標の実施と社会・経済開発全体に対する協同組合の貢献に対する認知を高めるため、2025年を「国際協同組合年」とする旨決定した。
また、政府は、「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」において、「協同組合をはじめ、地域の住民が共助の精神によって参加する公共的な活動を担う民間主体が、各地域に山積する課題の解決に向けて、自立と共生を基本とする人間らしい社会を築き、地域の絆を再生し、SDGsへ貢献していくことが期待されている」と表明している。
よって政府は、次の基本的考え方の下に協同組合の振興に取り組むべきである。
一 協同組合に関する様々な施策を企画立案し、及び実施するに当たっては、国際連合の「協同組合の発展のための支援的な環境づくりをめざすガイドライン」(2001年)及びILO(国際労働機関)の「協同組合の促進に関する勧告」(2002年)に留意するとともに、ICA(国際協同組合同盟)の「協同組合のアイデンティティに関するICA声明」(1995年)によって定められた協同組合の定義、価値及び原則を尊重すること。
二 協同組合が相互扶助の精神に基づき地域社会の持続可能な発展のために活動している点を重視し、持続可能な地域社会づくりに当たっては、その有力な主体として協同組合を位置付けること。
三 現代日本の経済社会において公共部門や営利企業ではない民間非営利組織が果たし得る役割を重視し、多くの人々が組合員として民主的に管理運営する民間非営利組織である協同組合の発展に留意すること。
右決議する。