日本社会連帯機構 戦後80年 沖縄連帯トークセッション 未来を描くために私たちは行動する

本紙 福本

戦後80年 沖縄連帯トークセッション 一般社団法人日本社会連帯機構の戦後80年企画「沖縄連帯トークセッション」が5月22日に東京の日暮里サニーホール(荒川区)で開催され、およそ270人が参加しました。(本紙 福本)

米国頼みは終了、自主的社会経済へ

 冒頭、日本社会連帯機構代表理事の永戸祐三さんが、「アメリカが世界の憲兵、自由貿易の旗手の座から自ら降りると言っている。日本を含む世界は今後どうやって自主的な社会経済をつくっていくか、真剣に向き合わなければならない時が来た。一緒に考える第一弾の日にしてほしい」と呼び掛けました。

 この日の企画は2本立てで、第一部は、社会風刺ネタで人気を誇る一方、“テレビで会えない芸人”として有名な松元ヒロさんのライブ。ヒロさんは、現政権を笑いに包みながら切り捨てました。

 第二部は、ワーカーズコープ連合会理事長の古村伸宏さんがコーディネーターを務めるトークセッション。

 昨年11月に解散した「石垣市住民投票を求める会」の宮良(みやら)麻奈美さん、「辺野古県民投票の会」元代表の元山仁士郎さん、沖縄大学経法商学部教授の島袋隆志さんの3人が、それぞれ置かれた状況や思いを語りました。

左から宮良さん、元山さん、島袋さん、古村さん

◉宮良麻奈美さん 92年、石垣市生まれ。「石垣市住民投票を求める会」元会員。2019年から裁判闘争を展開。同会は24年11月に解散。

◉元山仁士郎さん 91年、沖縄・宜野湾市生まれ。「『辺野古』県民投票の会」元代表。一橋大学大学院博士課程で米国の核戦略を研究。

◉島袋隆志さん 沖縄大学経法商学部教授。専門は経営学・人事労務論・中小企業経営。社連沖縄県本部共同代表。

地方自治は政府にとって都合が悪い

 石垣島への陸上自衛隊配備計画に反対する運動を行ってきた宮良さんは、「有権者の4分の1」の署名で市長に住民投票の実施を請求できる市の「自治基本条例」に基づき、街頭演説やラジオ出演など精力的に活動。「3分の1」もの署名を集めました。

 ところが市長は住民投票の実施を拒み、議会に諮って「否決」。翌年から裁判闘争に踏み込みましたが、市議会が住民投票条項の削除を盛り込んだ改正自治基本条例案を可決し、二度と住民投票をさせない意思を鮮明にしました。

 宮良さんは、「石垣にいると、地方自治が民主主義にとっていかに重要なものか、政府にとってはいかに都合の悪いものかがよくわかる。大事なのは 『地域のことは地域が決める』ということ。そこから生まれる自己コントロール感や自己効力感が人間の幸福感につながると思う。そのことを強調したい」と訴えました。

明るい未来描きにくいができることある

 元山さんは、「若者が未来を描けるかが今日の大きなテーマだと思うが、結論から言えば、今の状況では沖縄の若者には描けない」と断言。「ただ、良い未来を描くためにできることはある」とも述べ、自身の取り組みを紹介しました。

 一つは、2019年2月24日に行われた米軍基地建設に向けた辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票以降、毎年続けている「2・24音楽祭」で、「今年53年目になる沖縄復帰の日(5月15日)や、サンフランシスコ講和条約が発効して沖縄が米国の施政権下に置かれた日(4月28日)、沖縄戦が終わった日(6月23日)などと同様、一つの軸にして、さまざまな思いをはせる機会にしたい」。

 もう一つは、「国民発議制度」を日本でも導入することを目指した運動です。一人ひとりが主権者としてテーマを定めて署名を集め、国会に提案して議論し、実現に向かう制度で、イタリアやアメリカ、台湾にもあり、台湾で5月に実現した「原発ゼロ」も国民発議制度がきっかけだったと紹介しました。

 国民発議制度の実現をめざすことについて元山さんは、「7月に行われる見込みの参議院選挙でも、沖縄問題がテーマになるとは思えない」とし、19年の県民投票を根拠に上げました。「県民が反対の意思を示したにもかかわらず、投票の翌日から辺野古の工事が始まった。なのに、次の衆院選で沖縄問題はテーマにも上がらなかった。それほど沖縄の基地問題を選挙で解決するのは難しい。制度自体を変えるしかなく、国民発議制度の導入しか道はないと思っている」と強く訴えました。

「平和も経済も」はぜいたく?

 島袋さんは、「沖縄はいつも、平和と経済のどちらかの選択を迫られるが、両方求めるのはぜいたくだろうか?」と会場に投げかけると、拍手が沸き起こりました。

 社連副理事長の西谷修さんは、「政治的にとても難しい時を迎えている沖縄だが、人種や老若男女を問わず、戦後80年という“同じ時の厚み”の中に全ての人が生きている。そういう観点で互いの意見を調整する必要がある。こう考えると、人間がよりよく生きる意味を追求し続け、行動しているワーカーズコープの実践が参考になるのではないか」と述べて締めくくりました。

閉会あいさつをする西谷さん