福井で4つ目の労協 「志士苺(ししご)」 「イチゴ」通じて社会貢献

センター事業団福井事業所副所長 杉本美佐子

 福井県で野生種イチゴの保存と活用、苺を通じた農福連携などを目指す、「志士苺(ししご)労働者協同組合」が立ち上がり、その設立総会が6月25日、福井市内のワーカーズコープ・センター事業団福井事業所事務所で開かれました。福井では4つ目の労働者協同組合の誕生です。(センター事業団福井事業所副所長 杉本美佐子)

 総会には池田康成さん・佳澄さん夫妻と堀川秀樹さんの3人の発起人をはじめ、ふくい協同労働推進協議会の北出順子共同代表(福井大学准教授)、福井県産業労働部労働政策課の中村真理子さん、白崎恭香さん、センター事業団福井事業所の森本喜美子所長などが参加。それぞれから激励のあいさつがあり、代表理事には池田さんを選出しました。

志士苺の設立メンバー。右から堀川さん、代表理事の池田康成さん、佳澄さん

本業は鉄道会社職員。栽培にのめり込み

 代表理事の池田さんは鉄道会社の職員。そんな池田さんがイチゴ栽培にのめり込んだきっかけは、社員寮の敷地で仲間と始めた野菜づくりでした。仕事の合間に世話をするうち、「もっと本格的に作物を育ててみたい」との思いが芽生え、挑戦したのが“育てるのが難しい”とされるイチゴでした。

 特に夏でも冷涼な福井の地下水を活用した「夏イチゴ」に+可能性を見出し、研究と試行錯誤を重ねて、ビジネスプランコンテストでのグランプリを受賞。

 活動を続ける中で、ふくい協同労働推進ネットワークのメンバーで福井市議の堀川さんと出会い、労働者協同組合という仕組みを知りました。「営利追求ではなく公益性の高い事業として進めていきたい」との思いから、堀川さん、妻の佳澄さんと共に労働者協同組合の設立を決意。

 創立総会で池田さんは、福井でイチゴを育てる意義や今後の展望を説明し、地域の主力産業に育てたいと抱負を語りました。

 今後は、福井県の創業支援補助金や福井市の助成制度を活用しながら、農事組合法人の設立と労働者協同組合とのハイブリッド的な運営体制についても模索していく予定。将来的には障害者のグループホーム事業(農福連携)も視野に入れています。

協同労働推進協議会の支援受け

 志士苺の立ち上げには、厚生労働省の労働者協同組合促進モデル事業で労働者協同組合の普及と設立支援を行う、ふくい協同労働推進協議会(センター事業団福井事業所が事務局)が関わっています。

 福井事業所もまた、2022年から県委託フォーラムや自前事業などに取り組み、労働者協同組合の設立を積極的に支援してきました。

 24年度のモデル事業開始以降、同年10月には労働者協同組合「りたねっと」(福井市、高齢者のカウンセリングやコミュニティ活性化事業)、25年4月には「労協チャイルドケアセンター彩葉(いろは)」(鯖江市、放課後等デイサービス)が設立されました。

 また、25年5月には「労協うるしの里椀椀」(鯖江市、飲食サービス)も新たに設立されています。