WC連合会 気候・環境アクション全国会議 地球沸騰化時代の仕事おこしを考える

統合本部総合企画開発本部事務局次長 荒井絵理菜

 ワーカーズコープ連合会気候・環境アクションチームは、全国会議をオンラインで開催。20人が参加しました。(統合本部総合企画開発本部事務局次長 荒井絵理菜)

 今回の全国会議は、今年度の行動方針の共有と、海の気候変動対策として藻場や干潟などのCO2(二酸化炭素)吸収源を活かした「ブルーカーボン」の取り組みを学ぶことを目的に開催したもの。

 「地球沸騰化時代の仕事おこし」をテーマに、地域協同組合無茶々園(愛媛県西予市、ワーカーズコープ連合会準会員)の西田卓郎さんが、学習会。明浜町で行う「藻場BANK」の実践を紹介しました。

環境保全と地域経済の両立めざし

「海作りは山作り」の理念のもと

 無茶々園がある西予市明浜町は、古くから農業と漁業で生計を立ててきた地域です。

 無茶々園は有機農業の先駆者としても知られていますが、「海作りは山作り」の理念のもと、環境保全と産業の両立をめざし、山(農業)と海(漁業・水産)を結ぶ循環型の地域づくりにも取り組んでおり、真珠養殖やちりめん漁師との連携、青のりの栽培、海藻の植え付けなど、多様な活動を展開しています。

我がまちが熱帯化の最前線に

 西田さんは、アコヤガイの大量死やちりめん漁獲量の減少、磯焼けによる海藻の激減など、近年の温暖化による地元の海の環境変化の状況を説明し、「海水温上昇による高潮の塩害が、みかん栽培などに影響を及ぼす恐れも。海の環境変化は地域全体の産業にとっても深刻な問題」と指摘。

西田さん

 こうした状況に手をこまねいているわけにはいかないと、無茶々園とその関連会社は、青のりの養殖などの新たな仕事おこしに乗り出しています。

 また、陸上の食物よりもCO2の固定・吸収能力が高い「ブルーカーボン生態系」として注目される海藻類、特にワカメやコンブの仲間で多年生の「クロメ」を増やし、豊かな藻場を広げる「藻場BANK」の取り組みを2年前から開始。

 「明浜町沿岸の海域3カ所に藻場BANK(スチール製ラックでつくった人工藻場礁)を設置したところ、うち2カ所では、1年でクロメの定着を確認。一方、残る1カ所はクロメではなく熱帯性の海藻が繁殖しており、明浜が熱帯化の最前線にあることを実感した」

無茶々園が2年前から明浜の沿岸海域で行っている藻場BANK。3カ所に設置し、温帯性の海藻クロメを育て増やす

 西田さんは藻場BANKの今後について、「現在は無茶々園の『真珠基金』を活用しているが、将来的にはクロメの販売や体験活動などを通じた事業としての展開を視野に入れている。環境保全と地域経済の両立を図り、持続可能な地域づくりを継続していきたい」と語りました。

CO2排出削減 年間919トン

「気候・環境」を社会連帯経営につなげ

 伊藤剛事務局長が24年度の活動を総括し、連合会全体でのCO2排出削減量について、「特にワーカーズコープちばで、みんな電力への電力切り替えが進み、919トンの削減を達成。自動車1台が地球を148周まわる時の排出量と同量で、杉の木換算では、63680本分の杉の木が吸収する量と同等」と説明。

 25年度行動方針の提起として、エリア単位でのプロジェクト設立やオンラインプラットフォーム「エシカルワークス」の運用、再エネ契約の促進、気候・環境に関する取り組みの成果の数値化とサスティナビリティレポートの作成などの行動計画を示しました。

 さらに、「気候・環境アクションチームの設立から3年。連合会では、2030年までにCO2排出量50%削減を目標に掲げている。気候環境への取り組みを、活動の根幹である経営の中にしっかりと位置づけ、地域の環境政策に貢献することで、『社会連帯経営』へとつなげていこう」と呼びかけました。

 グループワークで行動方針を議論し、ワーカーズコープ連合会の竹森鉄専務理事がまとめました。