大阪 釜ヶ崎支援機構 × ワーカーズコープ トークイベント「Get Wild」第3弾 「西成で働く」「協同労働で働く」テーマに
NPO法人釜ヶ崎支援機構と労協ワーカーズコープ・センター事業団は、トークイベント「Get Wild(ゲットワイルド)第3弾 若者・シニアが語る! 西成で働く、協同労働で働く」を9月5日、大阪市西成区の山口文化センターで開催。会場に24人が参加し、オンラインで23アクセスがありました。(協同総合研究所副理事長 田嶋康利)
「Get Wild」の開催は4年ぶり3回目。
2021年に開かれた前回では、日雇い、失業者、それぞれの労働運動をルーツに持つ、釜ヶ崎支援機構の山田実理事長と、日本社会連帯機構永戸祐三前理事長が、労働や社会のあり方に警鐘を鳴らし、翌年に施行を控えた労働者協同組合法成立の意義や、今後の釜ヶ崎での地域づくりなどをテーマに縦横無尽に語り合いました。
若者が語る、働いてみての学びと葛藤
今回は、第1部で「若者のリアル・学びと葛藤」と題してディスカッション。
釜ヶ崎支援機構の小林大悟事務局長と花岡福さん、協同総合研究所の高橋弘幸専務理事(前センター事業団関西事業本部長)、センター事業団但馬地域福祉事業所の鈴木智絵里さんが登壇。

「なぜ協同労働という働き方を選んだのか」「なぜ西成で働こうと思ったのか」「今、何に挑戦し、何を学んでいるのか」、そして「どんな悩みを抱えながら日々奮闘しているのか」などのテーマで語り合いました。
花岡さんは、大学の卒論執筆をきっかけに釜ヶ崎支援機構にボランティアとして関わり、現在は「サービスハブ西成」で相談員を務めています。
釜ヶ崎支援機構で学んだことを問われ、「働き始める前は大きな不安があった」と振り返りながら、「相談に訪れる人々のしんどい状況に接する中で、自分自身も同じように不安や悩みを抱えていることに気づいた。例えば『眠れない』と相談されたとき、自分も同じような経験があると感じ、どうすればいいのか一緒に考える。完全な答えが出せなくても、お互いに『不安だよね』と共感し合いながら向き合うことができる。そうしたやり取りを通じて、自分の経験をどう活かし相手に寄り添えるかを意識するようになった」と話しました。
鈴木さんはワーカーズコープを選んだ理由について、「大学3年の頃から就職活動でさまざまな会社説明会に参加したが、『地域に本当に必要とされる仕事がしたい』『働きながら社会課題に向き合い続けたい』と考える中で、斎藤幸平さんの『人新世の“資本論”』を読みワーカーズコープを知った。話し合いをベースに責任を分かち合う協同労働のあり方に魅力を感じた」と紹介。
一方で「入団して4年目だが、ワーカーズコープしか知らないことに劣等感もある」と、率直な思いも打ち明けました。
清掃講座開始から5年。修了生が講師も
第2部は「孤立・孤独から新しい自分の発見」と題して、センター事業団尼崎事業所の津田益男所長と中徳恭一さんが登場。

ニート・ひきこもり・日雇労働者・生活困窮者などを働く仲間として受け入れ、誰しもが働くことができる職場づくりの実践を紹介しました。
津田所長は、「病院清掃現場では19~80代の30人が就労。コロナ禍では感染の不安を抱えながらも全国の仲間の励ましを受けて乗り越えた。釜ヶ崎支援機構と『いきいき清掃講座』に取り組んで5年。修了生の中には、うちで働いている人やいきいき清掃講座の講師を務める人も。生活困窮者就労訓練事業の認定を受けてからは、若者やひきこもり経験のある人も受け入れ、風呂清掃などの単純作業から始め、徐々に自信をつけてステップアップできるよう取り組んでいる。今では事業所の新人研修や講師を担う人も育っている」。
さらに、若手組合員へのインタビュー動画を流し、「社会に余白があって、もっと気楽に過ごしていける社会になればいいなと思う」との声を紹介しました。
センター事業団関西事業本部中村幸治事務局長が、「釜ヶ崎と並んで、日本3大ドヤ街と言われた、横浜の寿町、東京の山谷でも開催できれば」としめくくりました。
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釜ヶ崎支援機構とセンター事業団は、14年に都市農村連携で交流が始まり、19年には不安定就労者の就労支援として「いきいき清掃講座」を開始。今年度からは、ハウスクリーニング講座も始めています。他にも社会連帯活動「ひょんの実」などの取り組みが生まれています。
昨年2月に包括協定を締結し、両団体の連携・協力をさらに進めながら、労働者協同組合法を活用した、新たな就労の創出と、仕事おこしを目指しています。
当日の様子は、You Tubeで配信しています(下のQRから)。
