センター深谷南地福だんらん上柴(埼玉) 「支え合いのまちづくり講座」(全5回)スタート 仲間できれば一歩踏み出せる

本紙 福本

 労協ワーカーズコープ・センター事業団深谷南地域福祉事業所だんらん上柴(地域密着型デイサービス)は、地域の人たちと一緒に、協同労働の働き方と労働者協同組合法を活用して地域の役に立つことを始められればと、「支え合いのまちづくり講座」(全5回)を9月17日にスタート。コーププラザ深谷で開いた初回は、映画「医師 中村哲の仕事・働くということ」に学ぶ内容で、会社を定年退職した人や主婦、民生委員、地域包括支援センター職員など20人が参加。協同労働による地域づくりに向けた第一歩を踏み出しました。(本紙 福本)

中村哲さんの映画を鑑賞し思いや意見を交換

ヒント多い“映画”の鑑賞から

 講座に先立って2月に開いた学習会(統合本部事業推進本部澤登久雄スーパーバイザーなどを招いた講演会&交流会)を開催。民生委員や地域の人など23人が参加し、経営環境が年々厳しくなる中で、誰もが住み慣れた地域で暮らし続けられるために、これから何をしていけばいいかなどを話し合い、支え合いや見守りの大切さをみんなで深めようとなり、今回の講座に至りました。

ヒントを得ようと中村哲さんの映画を見る参加者

 初回冒頭、竹田恭子所長は、「地域の役に立ちたいと思っているが、私たちだけでは全てのニーズに応えることは難しい。地域の人たちの力を借りて何かできないか、そんな思いで講座を開くことにした」と、講座に込めた思いや趣旨を説明。「これから何かをやっていくにあたってヒントが多い中村哲さんの映画を鑑賞し、感想や意見を交換しながら今後につなげていきたい」と話しました。

竹田さん

具体的に動き出している人も

 参加者の自己紹介からスタート。

◉3年前に会社を定年退職し、家業だった農業を専業にした。親父が亡くなり手探りになったが、一緒にやりたいというシニア8人でやっている。来年、農業法人を立ち上げようと準備を進めており、農業を手段に深谷の良さをPRしていきたい。

◉二十年以上の訪問介護歴がある。 高齢者の困りごとはだいたい把握しているが、 人はそれぞれ。皆さんと情報を共有しながら何か始めたい。

◉飲食や調理の仕事をしていたが、体を壊してできなくなった。家にいてもつまらなし、何かやりたい。

◉ゴミ出しとかちょっとしたことで困っている人が多いため、何かできないか勉強しようと思って来た。

◉親の遠距離介護3年の経験を活かしたい。

◉いろいろな場で、いろいろな人の話を聞いて、元気に長生きできるよう頑張りたい。

◉市内で地域サロンを開いたりしており、協力できると思う。

◉だんらん上柴でお世話になった父母を在宅で看取った。栄養関係の仕事をしてきた経験を地域に活かせれば。

◉おかげでつまずくことがなくなった、だんらん上柴の“ふっかつ体操”を広めたい。 

 他にも民生委員経験者や保健師、熊谷市や美里町、富士見市からの参加者もいました。

 事務局から埼玉事業本部の関根宏樹事務局長が、「5年前、深谷市の生活困窮者自立相談に携わっていたが、制度の中でやっていたので、助けられなかったり不本意な支援になってしまったりすることがあった。地域の支えがあれば何とかなった事例もたくさん見てきたので、何ができるか意見を交換したい」。

 同本部北部エリアスタッフの横倉しず代さんは、「訪問介護員の職務のうち、掃除・洗濯・調理など生活に密着した“生活援助”サービス を学ぶ『生活援助従事者研修』を計画している。ぜひ参加を」と呼びかけました。

みんなの背中を押す講座にしたい

やれば案外できちゃうかも 

 映画鑑賞後の感想交流では、「新しいことをやるのはハードルが高いと思っていたが、ちゃんと目的があり、自らやってみせるリーダーが説明して理解を求めれば、人はついてくることを学んだ。やってみれば案外できちゃうのかも」「制度や医療より、食や水など生きるためのベースが何より大事だと理解していたのが中村さんの素晴らしさ」「はじめの一歩が大事なことがよくわかった」「ここに行けば誰かと知り合いになれて、何かが始まるんじゃないか? と思える場所があるといい」「少子高齢化で担い手がますますいなくなり、専門職だけでは担えないことが増える。みんなが何かの一端を担う形のネットワークができればと常々考えている」などの意見が上がりました。

 講座の準備に関わった田中羊子特別相談役も、「皆さんの話を聞いていて今後が本当に楽しみになった。労働者協同組合法ができてから、雇用されるのではなく、協同労働という対等な働き方で、誰もがやりたいことを自分たちの手でできるようになった。すでに全国で160もの法人が立ち上がっている」と、活動(仕事)の立ち上げに向けたエールを送りました。

 さらに、「『一歩踏み出すのは大変』という声もあったが、講座はあと4回ある。『こんなことしたい』『あんなことしたい』と毎回みんなで出し合っていれば、『そうだね、それいいね』って“共感”が生まれると思う。一人ではできないことも仲間さえできれば、必ず踏み出せるはず。一歩を踏み出すための背中を押せるような講座にしていきたい」とまとめました。

「自分ができること、やってほしいこと、地域で互いに」 

 だんらん上柴内に事務所がある深谷ふぁみりあ地福「おもちゃ図書館にこ」の丸山佐知子館長(当日の司会)からも一言ありました。

丸山さん

 だんらん上柴の室を借り、毎週金曜日に「おもちゃ図書館」(午前・午後で平均30人が来館。多い時で55人くらい)を開いている。

 地域の親子と触れ合いたいと思ったことや、みんなで子育てをする地域性がなくなり、隣に誰が住んでいるかもわからない地域になったと感じたことがおもちゃ図書館を開いたきっかけ。

 始めてみて、こういう「場」が求められていたんだとわかった。

 中村さんと仲間たちが作った用水路には及ばないが、住んでいる地域で、お互い様の精神で、自分ができること、やってほしいことを互いにできる地域にしていきたい。

講座の予定