新潟市秋葉区金沢町で 労協あきは設立 草取り、冬のタイヤ交換など手伝ってやれないか… 地域活動担う「推進会」会員らが
高齢化が進む新潟市秋葉(あきは)区金沢町で、高齢者の生活に関わる困りごとを解決していこうと住民有志らが労働者協同組合あきは(労協あきは)を立ち上げました。その創立総会が9月27日に金沢町公会堂で開かれ、15人が参加しました。「パンプアップせきかわ」(関川村)、「ごまのたね」(新潟市)に続き、新潟県では3つ目の労協法人です。(本紙 炭谷)

創立総会では、発起人の一人、齋藤敏明さんが「生活支援事業と高齢者の寄り添い事業を柱に、日々のゴミ出しや買い物、草取りなどの事業を進めていく。 まずは金沢町をベースに、小・中学校区へと活動範囲を広げ、ゆくゆくは秋葉区全体で事業を展開していきたい」と事業計画を提案。
今後の活動拡大の方針や労働災害、作業事故時の対応について質問があり、地域包括支援センターなど地域機関との連携についても議論がありました。
全議案が承認され、齋藤さんが代表理事に選出されました。
小島晋新潟県議が「日常生活に支障をきたす高齢者が増える中、地元住民が志を持って、労働者協同組合を設立したことに敬意を表したい。皆さんの活動が区内全域に広がることを期待している」。倉茂政樹新潟市議は、「地域で顔の見える支援活動が重要。秋葉区全体に取り組みが広がるよう、私も橋渡し役を務めていく」とあいさつ。
ワーカーズコープ連合会の松垣芳伸事務局長も、「生活支援に取り組む労働者協同組合は全国でも増えている。『あきは』の設立はモデルとなる実践。皆さんの活動が広がることを願っている」とエールを送りました。
小林裕史新潟市議から祝電が寄せられました。
「地域のおせっかい活動に労協法活かせる」
みんなでお金を出し合い、つくってみないか
「労協あきは」は組合員25人で設立。その中心は、金沢町の祭りや運動会などの地域活動を担う、「金沢町推進会」の会員たちです。
立ち上げのきっかけは、昨年の秋祭りの準備がひと段落した、ある日の懇談会での会員からの一言でした。
「これまで自分でできていたことができなくなり、困っている高齢者が増えている。草取りや冬のタイヤ交換など、手伝ってやれないだろうか」
その場にいたのが発起人の一人となり、代表理事に就任した齋藤敏明さんです。
連合新潟会長や新潟県労働者福祉協議会理事長も務め、新潟県労働金庫理事長を昨年春に退任した齋藤さんは、会員同士の会話から「みんなが考えているような地域の助け合い、おせっかい活動に労働者協同組合の法律が活かせるんじゃないか」とひらめき、こう呼びかけました。
「労協法という法律ができた。設立が他の法人に比べ容易だし、派遣業以外はどんな事業にも取り組める。話し合いを軸に運営をする点も魅力的だ。みんなでお金を出し合って労働者協同組合をつくってみないか」
こうして6人で「労働者協同組合設立準備会」を立ち上げ、具体的な準備に着手しました。今年1月のことです。
労協うえだの実践に「大きなヒント」
準備会は計9回開催。「ごまのたね」の齋藤紀美子代表理事に設立の経緯や必要な実務を聞き、労協ワーカーズコープ・センター事業団北陸信越事業本部の川原隆哲本部長を招いて学習会を実施。また、厚生労働省の情報サイト「知りたい!労働者協同組合法」や先行組合の動画を視聴し、長野県諏訪市で開かれた労協法セミナーにも参加しました。
8月には準備会メンバー6人で労協うえだを訪れ、北澤隆雄代表理事らと懇談。

「地域包括支援センターとの連携を密にしたり、市内に支部を立ち上げたり、『お助け隊』と呼ばれる仕組みをつくったりと大変参考になった。今後私たちの活動を行っていく上で大きなヒントを得た」(齋藤さん)
準備会と並行して、頻繁に開かれる推進会の懇親会で仲間を増やし、夫婦や幼なじみ、町内会役員など地域の幅広い人が参加。電気工事士や自動車整備士といった、専門の技術を持つ人も集まりました。
いずれは退職者組織などにも呼びかけ
労協あきはの立ち上げにあたっては、公益財団法人新潟ろうきん福祉財団から市民活動団体助成を受けています。
齋藤さんは「労協法を知ったのは2008年、新潟で全国協同集会が開かれた時。私は連合新潟の事務局長だったが、正直、当時はあまり惹かれなかった」と振り返ります。

しかし今では、「事業を軌道に載せ、労福協の地域組織や退職者組織などにも私たちの取り組みを紹介し、こうした活動を新潟中に広げていきたい」と意欲を示しています。
センター事業団北陸信越事業本部の川原本部長は、「来年以降の介護保険制度改正によるさらなる地域包括ケアの推進や、中学校部活動の地域移行が進む中、子どもから高齢者まで地域全体で支え合う組織づくりがますます重要になる。こうした状況の中で『労協あきは』は、地域住民同士の協同を促し、コミュニティを支える一助となるのでは。引き続き応援していきたい」と話しています。
