国際協同組合年全国実行委員会がシンポ 「こども・若い世代が主役の社会」めざして
JA中央会、日本生協連、ワーカーズコープ連合会などで構成する、2025国際協同組合年(IYC)全国実行委員会は、シンポジウム「こども・若い世代が主役の社会をめざして」を、10月10日、東京都千代田区・TKP秋葉原カンファレンスセンターとオンラインで開催。パネルディスカッションも行われ、会場60人、オンライン140人が参加しました。(本紙 炭谷)

村木さん、湯浅さん協同組合に期待

「子ども・若者の応援団に」「多様な居場所づくりを」
実行委員会幹事長の比嘉政浩さん(日本協同組合連携機構(JCA)代表理事専務)が「格差や貧困、孤立など、子ども、若者を取り巻く厳しい環境がある中で、人を大切にし、持続可能な社会づくりへ協同組合への期待は大きい。多様な実践を共有し、若い世代と共に協同組合に何ができるのかを考える場に」と開会あいさつ。
「こども・若い世代の“いま”を見つめ、未来を支える」と題して、社会福祉法人全国社会福祉協議会会長の村木厚子さん(元厚生労働事務次官)が講演。
児童福祉施設を出た子どもの進学率は4割に届かず、非正規雇用や低収入、ホームレスになるリスクが高いほか、若者の自殺が減っていないと指摘し、協同組合関係者に向けて「社会の最も弱い部分を支えることが社会全体を守ることにつながる。協同組合には子ども・若者の応援団になってほしい」と呼びかけました。
社会活動家で認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ公共政策アドバイザーの湯浅誠さんは、居場所の役割と意義について。
現在、全国で子ども食堂が1万800カ所と学校数を超える規模に達し、延べ1400万人の子どもが利用している現状を紹介。
「多様な居場所づくりを進め、誰もが自分らしく生きられる社会の実現に向けて、協同組合がその力を発揮してほしい」と期待を込めました。
労働者福祉中央協議会、日本生活協同組合連合会、全国大学生活協同組合連合会、ワーカーズコープ連合会が活動を報告。
ワーカーズコープ連合会からは、センター事業団南東北事業本部事務局次長の瀬戸理音さんが、仙台地域福祉事業所けやきの杜が運営する「みんなのBASE」の取り組みを紹介しました。
協同組合のイメージ
大木さん「人の力活かし、つながりをつくる組織」

足立さん「理念は魅力的。伝え方が“いけてない”」

後半は若い世代を交えてのパネルディスカッション。ワーカーズコープ連合会専務理事補佐の中野理さんがコーディネーターを務めました。
埼玉県和光市のセンター事業団和光さつき地域福祉事業所の学童クラブで働く大木実莉さんは、「子どもたちは一人ひとりかけがえのない存在なのに、今の学校や社会の仕組みの中で個性が削られてしまっているように感じる」と実感を語り、「協同組合は、人が本来持つ力を発揮しながら、互いに支え合う関係を地域でつくり出せる仕組み。若者や子どもが助けを求められる居場所やつながりを地域に広げ、協同組合ならではの活動を通じて社会とのつながりを育み、平和な地域づくりに貢献したい」と抱負を述べました。
若者の政治・社会参加を進める、一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN共同代表の足立あゆみさんは、「SNSなどを通じて若者に協同組合の魅力を伝えようと取り組んでいる」と活動を紹介し、「協同組合の理念は魅力的だが、伝え方が“いけていない”のでは(笑い)。社会を変える手段として、社会的起業やワーカーズコープの仕組みを若者に広げたい。協同組合の資源を活かしながら革新的な事業を生み、若者の活動や仕事につなげたい」と抱負を述べました。
村木さんは、「居場所とは、削ぎ落とされた自分を取り戻す場所であり、『居たい、行きたい、やってみたい』が実現できる場所。協同組合でつくれたらすごいこと。自分たちだけでやるのではなく、協力してくれる人たちとつながりながら活動を広げてほしい」。
湯浅さんも、「協同組合への若者の参加を促すには、自分たちの組織体質を自覚し、改善していくことが必要」とコメントしました。
中野さんは「こども・若者が主体となる社会づくりにおける協同組合の関わりが問われている。若い力を活かしながら、情報発信と組織の活性化を進めよう」と締めくくりました。