滋賀・東近江 労働者協同組合初の助産所 「お産子の家」 助産師8人が 「これ、私らにピッタリやんか」
滋賀県東近江(ひがしおうみ)市で、労働者協同組合による初の助産所「共同助産所 お産子(さんこ)の家」が来年1月から始まります。助産師有志による民設民営の共同助産所が母体で、今年6月に労働者協同組合になり、翌月には特定労働者協同組合の認定も受けました。11月10日に現地を訪ねました。(協同総研副理事長・田嶋康利)
出産だけでない居場所目指して
労働者協同組合による助産所は全国で初めて。組合員は30〜70代の8人(開業助産師7人とクリニック非常勤勤務の1人)。出資は一人1万円です。 お産子の家では設立メンバーの金森京子さんが対応してくれました。

金森さんたちは助産師として日々の業務にあたる中で、困難を抱えているにも関わらず行政の支援につながれない妊産婦と何度も出会ってきました。
こうした人たちの妊娠中から出産後の子育て支援、居場所(シェルター)となるような助産所を一緒に立ち上げようと動き出します。6年前のことです。
助産所は医療法上の「診療所」に該当するため、医療機器や消防設備が必要です。立ち上げには休眠預金計2500万円の助成を受け、2021年4月に開業しました。
しが協同ネットの支援受け
労協法人になったきっかけは、東近江三方よし基金の山口美智子事務局長から労働者協同組合を紹介されたことでした。
「お産子の家は自立した助産師の集まり。情報を共有し、対等な関係で進めることが大事。法人格を取得すれば社会的信用も高まり、組織として長く続けやすくなる」と考えた金森さんたちは、話し合いを重視する労働者協同組合の仕組みに触れ、「これ、私らにピッタリやんか」と法人化を決意。
しが協同労働ネット主催の労協法勉強会への参加など、協同ネットの支援を受けながら準備を進めてきました。
東近江市など県内自治体で産後ケア事業
お産子の家では、妊婦が担当助産師を選べる仕組みを導入。出産は3人体制で対応しています。
「ウチで出産を選ぶ人は、一人目を病院やクリニックで産んだ時につらい経験をした人が多い。病院勤務の助産師がここで子どもを出産するケースもある」と金森さん。出産件数も年々増えています。
ショートステイやデイサービスなどの産後ケア事業も東近江市を始め11自治体と契約しています。「助産師がいることがわかるので、突然アポなしで相談に来る人も。市町からの問い合わせも多い」とのこと。
助産所運営以外にも、妊婦向けの「バランスボール」「セルフ整体」教室や、「ベビーマッサージ」、近くにある太郎坊宮に「親子で登る会」など、地域住民が気軽に参加できるプログラムも実施。
また、地域の開業助産師の相談にも応じ、地域と専門職の双方を支える取り組みを続けています。
金森さんは、「8人いれば当然、意見の対立もあるが、地域で安心して産み育てられる場を守りたい」と話しています。
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労協ワーカーズコープ・センター事業団滋賀事業本部の田中紀代子本部長と滋賀エリアの上山久美子副エリアマネージャー、田中羊子特別相談役と訪問しました。
詳細は「協同の発見」に掲載予定です。
