鹿児島・安楽温泉 土と緑の仕事研究交流会議with草刈りツーリズム 草刈り通じてつながる 高揚感が一番のご馳走 ツナガル居場所 石野さん報告
ワーカーズコープ連合会統合本部事業推進本部くらしごとなりわいブロジェクトは、「土と緑の仕事研究交流会議with草刈りツーリズム」を11月15、16日に、鹿児島県霧島市安楽(あんらく)温泉で行い、草刈りの仕事を行う労働者協同組合などから27人が参加。草刈りツーリズムプロジェクトを講師に、座学と実践で草刈りを学びました。地域の企業から草刈りの仕事をもらっている静岡県磐田市の労働者協同組合いわたツナガル居場所ネットワークの石野朋子さんの報告です。

日常から離れた場所
草刈りツーリズムとは、草刈りを目的として集まった人たちが、「出向いた先で草を刈り、その地域の人々や歴史・文化に触れ、交流・観光を行い、参加者同士が親睦を深める。そして、そこで生まれた新しいつながりによって、自分では解決できない地域課題を協力・連携して解決することを目指す」取り組み。
交流会1日目は安楽公民館で、草刈りツーリズムプロジェクト代表の亀井愛子さんのレクチャー。
亀井さんはこの活動の魅力について、①体験と楽しみ、②草刈りの知識と技術の習得、③達成感と地域の感謝の言葉、④地域の歴史や風土を知ることができる、⑤試作品やプロジェクトに関わる特別感がある、の5つを挙げた。
話を聞いて、草刈りは手段。集まってくる人たちとコミュニティができて、そこが個人にとっての居場所になることが大きな魅力なのではと感じた。自分が普段属しているコミュニティ以外に、共通の楽しみを通じてたまに集まり、また普段の生活に戻っていくというプロセスは、日常から少し離れて気持ちを新たにできる大切な場所となると感じた。
その後、「草刈り」を通したコミュニティ形成について、鳥取大学の木原菜穂子先生の事例報告があり、平地の草刈りより、畦畔(けいはん)の草刈りの方が担い手が少なく、難易度も高いが、国からの助成金制度を活用して草刈隊として活動している方々がいることを学んだ。
念願のデビュー戦
2日目は地域の方々の要望に応えて草刈り。
労協ワーカーズコープ・センター事業団山口宇部事業所のリモコン草刈り機も登場し、普段仕事で草刈りをしているみなさんからも、「仕事とは違って楽しいな」という感想が聞かれた。
草刈りツーリズムプロジェクト隊長の志戸辰也さんから、初心者への刈り払い機の使い方講座もあり、ナイロンコードとチップソーの切れ方の違いや、刈り払い機を使う際の注意点などの指導があり、大変勉強になった。念願の刈り払い機デビュー戦ができて、ありがたい体験だった。

収益性も加わると
実際にツーリズムに参加して思ったことは、やはり人と人のつながりが広がっていくことの高揚感が一番のご褒美だなということ。そして、草刈りのお礼に地元の温泉をいただいて、地域のみなさんにお礼の言葉をもらうことで、今後も安楽温泉のことを大切にしていきたいという気持ちが生まれたのが大きな気づきとなった。
ツナガル居場所に来る不登校の子やその保護者、ひきこもりの方もこういったコミュニティにつながって社会性を育むことが可能ではないかと思っている。
願わくば、ここに収益性も加わると、ワーカーズの取り組みとしてはありがたい限りだが、ゆるく楽しく草刈りをすることと、賃金を発生させて草を刈ることには少なからず隔たりがあり、その溝をどう埋めていくかが、「賃労働」として捉えた場合の課題だ。
だが、草刈りツーリズムには大きな可能性があるのは確かだと実感する交流会議となった。