新潟 「協同ネット」主催で協同集会 県も激励 県内5労協が報告

本紙 炭谷

 にいがた協同ネットは、新潟県の後援を得て、「新潟協同集会2025労働者協同組合で地域づくり・まちづくり」を新潟市・新潟大学駅南キャンパスときめいとで開催。会場、オンラインを合わせ、70人が参加しました。(本紙 炭谷)

地域の雇用と活力創出目指し

 協同ネットの伊藤亮司代表(新潟大学助教)が開会あいさつ。

 新潟県産業労働部しごと定住促進課の澁谷幸央課長も駆けつけ、「労働者協同組合の役割が今後ますます重要になる。県内に協同労働の文化がしっかりと根付いていくよう、皆さんと共に取り組んでいく」と激励しました。

澁谷課長


 パネルディスカッションでは県内で活動する労協法人が登壇。

県内の労協によるパネルディスカッション。右から石川さん(パンプアップ関川)、齋藤喜美子さん(ごまのたね)、齋藤敏明さん(あきは)、木澤さん(労協ワーカーズコープ・センター事業団下越事業所)、コメンテーターの田中夏子さんとコーディネーターの川原隆哲さん(センター事業団北陸信越事業本部本部長)

 関川村の労協パンプアップ関川代表理事の石川利一さんは、「県内第1号の労協法人。水害で不耕作地となった田んぼを活用し、特産のかぼちゃ栽培と販路拡大に取り組んでいる。人口減少を招きやすい『コメ一辺倒』からの脱却を掲げ、消防署や役場出身者、さらには現職議員など多様なメンバーが人手を要する野菜づくりに挑戦することで、地域の雇用と活力を創出している」。

 若者サポートステーションなどを運営する、労協ワーカーズコープ・センター事業団下越事業所の木澤汐美所長は、所長の2年任期制を紹介。

 「話し合いで選ばれたリーダーを前任者が後方から支えている。所長を交代で担うことで、メンバー一人ひとりが運営を自分ごととして捉える意識が育まれている。その結果、特定の個人に依存することなく、地域課題に対して機敏に動ける柔軟な対応力につながっている」と語りました。

 また、オンラインで参加していた、長岡市で惣菜事業を予定している労協プラマイゼロとちお代表理事の田中浩一さんも発言。立ち上げ直後のメンバー離脱という困難に直面しながらも、再起への決意を語りました。

 この他、新潟市内で活動する労協ごまのたね(子育て支援、居場所づくりなど)と、労協あきは(生活支援)が立ち上げの経緯や実践を報告しました。

排除許さない地域づくりへ

 また、日本協同組合学会元会長で長野県労協促進協議会会長の田中夏子さんが、「協同の力で切り拓く、共に生きるための暮らしと仕事」をテーマに講演しました。

田中さん


 田中さんは、イタリアの協同組合制度と日本の労働者協同組合法を対比し、「労協法第1条の『地域における多様な需要に応じた持続可能な地域づくり』は、イタリアのコミュニティ協同組合で大切にされてきた考え方」と指摘。

 さらに、「イタリアの社会的協同組合は、しんどい状況にある人たちが諦めずに生き、働き続けられる社会をつくろうとしてきた。日本の労働者協同組合制度もこれらの先行事例を手がかりに形づくられたのではないか」と述べ、「協同組合は御用聞きで終わってはいけない。排除を許さない地域をつくることこそが、本当の意味で地域の利益になる。労働者協同組合は、誰一人取り残さないために、最も困難な場所へ駆けつける『構え』を持った組織であるべきだ」と力を込めました。

 協同ネットの武田貞彦副代表(ささえあい生協にいがた専務理事)が「新潟県内でも多様な労協が生まれ始めている。これからもこうした場を持ちながら、つながりと実践を広げていきたい」とまとめました。