ポールdeウォークコーディネーター第1回スキルアップ講座&第15回養成講座 健康支え楽しくつながる みんなでポールdeウォーク
一般社団法人全国ポールdeウォーク推進協議会は2月8、9日、神奈川県鎌倉芸術館などでポールdeウォークコーディネーター第1回スキルアップ講座&第15回養成講座を開き、労協ワーカーズコープ・センター事業団の藤田徹理事長も「このつながりを多様な事業展開に」と提案しました。(本紙 松沢)

推進協議会中山政昭会長と日本社会連帯機構山本幸司代表があいさつ。推進協議会杉浦伸郎相談役が「今こそポールdeウォーク」と話し、先進事例が発表され、ソーシャルアクションプランナー阿部和子さんが「地域づくりの過去、現在、未来」について講演。
2日目は実技を学びセンター藤田理事長が講演。分散会で「これから」を議論、推進協議会富田孝好専務が閉会の辞を述べました。
ポールdeウォークコーディネーター第1回スキルアップ講座&第15回養成講座
先進事例発表から
社会連帯機構東北地方委員会 斎藤直人さん

社会連帯東北地方委員会は、当時の池田道明代表が、2本のポールを「杖=高齢者」のイメージから、「老若男女すべての人の健康を支えるツール」と位置づけ、「出会いや、つながるきっかけ」として、楽しく広げていこうと23年度から活動開始。
1年目は体験会とコーディネーター養成講座を開き、コーチ資格者も17人誕生。教えるのは不安というので、組合員を生徒に「疑似体験会」も。25年は東北全体でポールdeウォークを51回実施。延べ570人と出会えた。
盛岡地福チャルム(就労支援B型)は、まちづくり講座開催を目標に地域に呼びかけ、「ポールdeウォーク×ランチ」という形で。気仙沼地福は震災当時を思い出しながら。愛好会もできた。山形地福陽だまり(放課後等デイ)は、地域包括や市社協、町内会と一緒に活動。岩手・野田村の野田地福あづびは、村の委託を獲得。


JTSUと連帯し、「ポールとレールと平和」をテーマに、仙台(26人)、会津若松(60人)、秋田(28人)で交流体験会。次は米沢。
ポールdeウォークは楽しい。「次はいつ?」と聞かれ、必要とされているとも感じる。ポールを持って歩くと、社会の実情や地域の課題も見え、自分自身も成長した実感がある。
3月には、社会連帯東北のコーチ13人を集め行動計画も立てる。
運動が苦手な子も
仙台 大野田児童館 伊藤真由美さん
大野田児童館では3年前、親子で始めた。「久しぶりに親子の会話ができて楽しかった」の感想が。その後も年2回くらい、親子イベントで実施。
児童館のそばの公園にポールを持っていくと、運動が苦手という子が歩きたがる。勝手にやらせていると黙々と4周、5周。子どもたちはポールを使うこと自体が新鮮で、夢中になって歩くことで継続できているのでは。
「平和」「鉄道」「健康」のまちづくり
JTSUポールdeウォークサークルコーディネーター 吉川英一さん

JTSU(日本輸送サービス労働組合連合会)は「ポールdeウォークサークル」を23年10月に100人で結成。
キャッチフレーズは「ポールを持てば再発見・みんなで生き生き・グリーンウォーク!」。
「ひとつの土台」と「3つの柱」を決めた。
「みんなで山手線一周ポールdeウォーク大会」を土台に据えた。各コースの戦跡もめぐり、歴史や文化も学ぶ。ワーカーズのみなさんと実行委員会をつくり信頼関係も深まった。
柱の一つ目は「平和まちづくり」。隠されている大空襲の跡などを回り、研修会と呑み会。東北でもワーカーズの仲間と戦跡をたどった。今後は「みんなで平和ポールdeウォーク大会」を全国の空襲被災地で展開したい。
二つ目は「鉄道まちづくり」。赤字だから廃止なのかと、只見線、水郡線、烏山線沿線を歩き、市民活動の仲間と交流した。

三つ目は「健康まちづくり」。第1回は東京・板橋区で。歩けないような方がポールを持つ。最初は大丈夫かと思ったが、介護職が横につき、ほんとにゆっくりだが、歩けた喜びで、みんなが「またやってほしい」と感想を。私はJRを定年退職、ワーカーズのパル赤羽で介護職をしている。次は4月4日にこのパル赤羽で。
組合員には50人のコーチがいる。介護施設、高齢者、ワーカーズのみなさんなどとつながり、「健康まちづくり」をしていきたい。
東京 大田区に続き北区でも助成金
全国ポールdeウォーク推進協議会事務局長 木谷道宣さん

私は「歩け歩け運動」をやっていて、13年度に東京・大田区でポールdeウォーク教室を開いた。
区高齢福祉課が14年度に二次予防予算として50万円助成。15年度からは元気高齢者事業とした方がいいとなり、「体験教室」と「リーダー養成研修」を始めた。区は体験教室に50万円、リーダー養成研修にも「スタートアップ事業」として最大250万円の助成金をつけてくれた。
毎年、80人が体験教室を卒業、その受け皿として17年度から各地に「ポールdeウォーク楽校」を開設。現在、21の楽校と、遠足楽校がある。
リーダー養成研修には、自治会、老人いこいの家、高齢者見守りネットワーク、地域包括支援センター、社会福祉法人、地域文化スポーツクラブ、介護予防教室、肥満症予防協会、整骨院、警察などの代表者、職員らも参加。
大切なのは「ポールdeウォークは時代の要請」だということ。世界に先駆けて超高齢社会に突入した日本において、ポールdeウォークの振興は、どこの市町村でも、数ある対策の中で手を付けやすい最も重要な施策の一つだということ。現に東京の北区でも50万円の地域振興課の活動助成が3年前から始まっている。
粘り強く説得してポールdeウォークを国民運動にまで高めよう。
ちいさな体験会かさね
北海道 廣奥 基(もとえ)さん
24年5月に第5回コーディネーター養成講座を開いてから講師資格取得者も増えている。小さな体験会を旭川の公民館や札幌手稲老人福祉センター、篠路シルバー水曜大学、地域交流拠点ピリカ、就労支援B型事業所など多様な場で実施。定期開催にもつながっている。
公民館長「一緒に」
旭川 諸澤郁子さん
雨天を考えて神居公民館を借りたが降らず、河川敷や公園を歩いた。公民館長が「一緒にやっていきたい」といい、協賛に。「いつやるの」と要望もすごい。みんなのおうちでも、認知症予防教室や地域食堂に合わせてやっていきたい。
毎月第2、第4日曜に
千葉・印西みんなのおうちらんか 湯澤秀子さん
らんかは50~80代の会員25人(組合員5人)。家庭のちょっとした困りごとの手伝い、お茶会などを開催。PWは毎月第2、第4日曜の10〜14時、平岡自然の家(公共施設)で行っている。なんとなく始めたPWだが、12、3人が参加。楽しく元気に健康の維持増進、無理なく笑顔でゆっくりウォークを目指している。
急な坂道をゆっくり
長野・松本 集い場ふらっと柳沢亜希さん
高台にある県営並柳団地の「集い場ふらっと」で働いている。団地は290世帯。65歳以上が120世帯で、ほぼ独居の方。
24年に講義を受け、アドバンスコーチ資格まで取って、月1回のペースで体験会を始めた。77〜88歳の2〜5人が参加。団地周辺のけっこう急な坂道をゆっくりゆっくり歩きながら楽しくやっている。
「健康寿命延伸都市」を掲げる松本市役所にも話を持っていき、団地から外へ広げていけたらと思う。
草津、甲賀で楽しく
滋賀 上山久美子副エリアマネージャー
22年11月に大阪での講座を草津みんなの家の望月カオル所長と甲賀(こうが)地福の私が受講。
草津では23年4月から毎月第4土曜に「ポールdeウォークの会」を開催。30分程度歩き昼食タイム。ちらし寿司やカレーをいただきながらおしゃべり。たこ焼きパーティーや組合員所有の山でのタケノコ掘り、紫式部で有名な石山寺への歩きと薬膳料理も。
参加者の歩くペースに差があり、安全確保にはスタッフが複数必要なのが課題。
甲賀では、まず社連滋賀地方委員会にポールの購入を申請し、10セット購入。23年5月、私が住む甲南町希望が丘団地内を歩いた。参加者は地域の方5人、組合員2人。
2回目は23年10月。小学4年生も。映画「医師 中村哲の仕事…」の上映実行委員長を引き受けてくれた希望が丘自治会長の山崎史良さんも参加。ポールdeウォークの後は有志でランチ。
私の体調不良で中断した期間もあったが、地域の方の「楽しみにしてるよ」の声に押されて継続。ポールdeウォークはフレイル予防であり、地域の中で孤立しないツール。無理せずに開催していきたい。
事業本部、社協などと
統合本部「ポールdeウォークの会」経理部伊藤博厚さん
24年10月に設立。「いろいろなサークル活動で元気な本部に。ポールdeウォークをやろう」という永戸祐三さんの肝入りもあって始まった。現在、会員15人。「健康増進と会員間の交流」「地域とつながり、活力あるコミュニティに向かう」ことが目的。
当初は月1回、平日の夜歩き、その後、懇親会。25年1月からは土曜の10時から。労協連発祥の地、鬼子母神病院周辺などを歩いた。豊島区の介護予防「つながるサロン」に通う高齢者も参加。
子ども食堂など社会連帯活動や東京中央、東部など事業本部と連携。社会福祉協議会と交流し、イケ・サンパーク主催のポールdeウォークも。社会福祉協議会がワーカーズを記事にしてくれたことも。
健康づくり市民会議とも
ポールdeウォーク桶川界隈 新井孝雄さん
24年11月の全国地域おこし名人・達人サミットで中山道街並みウォーキング。25年1月に「ポールdeウォーク桶川界隈」を発足させた。
桶川市健康づくり市民会議のサポーター養成講座も受講。6回のうち3回が「歩くこと」。ポールdeウォークをどんどん普及したいと思った。25年11月に「社会連帯桶川・北本ネットワーク」発足。今年1月、「桶川界隈新春おめでとうウォーク」開催。当面、桜ウォーク、市民会議などとの合同講演会も企画し、民生児童委員や地区社協、自治会、老人会などにも声をかけていく。
西山そらの学校、全員マイポール
労協連共生ケアPJも活用推進
ワーカーズコープ連合会事業推進本部共生ケアプロジェクトでは、通所介護(デイサービス)などに取り入れようと、「ポールdeウォーク」の活用学習会を1月20日にオンラインで開きました。
スーパーバイザーの澤登久雄さんが「ポールdeウォークには歩行の安定、転倒リスク低減などのエビデンス(裏付け)があり、一緒に取り組む人がいることで楽しく、継続しやすい」と話し、HEALS CONSULTING代表取締役の芝田竜文さんが、左右の筋バランスが整う、全身運動で脂肪燃焼効果が高いなどの効果と認知症予防などのエビデンスなども紹介。ポールを使ったさまざまな体操も実演。
徳島県三好市の西山地域福祉事業所そらの学校では、介護予防体操の後に、参加者と歩いているが、全員がマイポールを持つほど気にいっていると報告。
大分東部地福ゆりかご(小規模多機能型居宅介護目指す)では、これから取り組むために2人が研修に参加。富山県の高岡地福は沈みがちな団会議で「取り組もう」と提案すると盛り上がったと。
岩手県野田村のあづびと滋賀の2つの事業所も報告。
澤登さんが「ポールdeウォークは、地域とつながるツールにもなる。エビデンスを活用して、ケアマネジャーや地域包括支援センターにも伝えていこう」と呼びかけました。(本紙 本田真智子)