WC連合会 アクション フォー アース 2026 協同の力で地球環境再生 より具体的な行動へ
ワーカーズコープ連合会は「協同の力で地球環境の再生」をテーマに、「第3回 Action For Earth(アクション フォー アース) 2026 ︱ともにつくる、私たちの未来」を、2月15日に東京池袋本部とオンラインで開催。104人(会場68人、オンライン36人)が参加しました。(本紙 炭谷)

『環境・気候非常事態宣言』 実現に向けて
ワーカーズコープ連合会は、2020年1月に「環境・気候非常事態宣言」を発し、30年までに温室効果ガス排出量50%削減、50年までの実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目標に掲げています。
24年からは毎年「地球環境サミット」を実施してきましたが、今回から名称を変更し、より具体的な気候・環境アクションを推進する場として開催。当日は会員組織役員も多数参加しました。
冒頭、総合企画開発本部の伊藤剛事務局長と荒井絵理菜事務局次長が開催趣旨を説明。 古村伸宏理事長はあいさつで、「社会をどう変えていきたいのか、価値観の転換が求められている。価値創造の源泉は何か。それはワーカーズコープにとって、組合員一人ひとりの主体性と地域にある。課題を探す目で地域を見るのではなく、どんな価値が潜んでいるのかという目で見渡すことが、新たな一歩を切り開く。気候・環境課題に向き合う私たちの取り組みをさらに深めていこう」と呼びかけました。
社会課題を価値の種へと転換し
環境脳神経科学情報センター副代表の⽊村―黒田純子さんが、「プラスチック、PFASなど有害化学物質から地球を守る―持続可能な社会を目指して―」と題して講演。
いかにプラスチックやPFAS(有機フッ素化合物)が急速に人体や脳の深部にまで侵入し、深刻な健康被害をもたらしているか警鐘を鳴らし、法規制を求める行動が必要と、力を込めました。
アミタホールディングス株式会社代表取締役会長の熊野英介さんも講演。自社の取り組みを紹介しながら、「環境の限界点(ティッピング・ポイント)が迫る今、社会課題を価値の種へと転換し、生活者が関係性の連鎖を編み直す『道徳ある経済』を共に創り上げよう」と語りました。
「地域に根ざしていればできることはある」
実践報告では、愛媛県・無茶々園の西田卓郎さんが、西予市明浜町での「藻場BANK」の取り組みを紹介。
温暖化や食害で失われつつある藻場を再生するため、地域の放置竹林を活用した「山と海をつなぐ循環」の実践を報告しました。
センター事業団和光さつき事業所の大木実莉さんは、昨年4月、和光市内にあるセンター事業団の4事業所で開催した気候変動学習会について報告。
「前年に開催した平和学習会で聞いた『戦争は最大の環境破壊だ』という言葉をきっかけに、『気候変動学習会』を開催。地域に根ざしていれば、どんなに小さくても必ずできることがある、まずは自分たちにできる一歩から取り組みを始めることが大切」と強調しました。
分科会で講演や実践報告の内容を深め、センター事業団九州・沖縄事業本部の「サステナビリティレポート」を、直鞍事業所の友岡有希所長が紹介。「24年度は全事業所でCO2排出量を計68・2トン削減したことなど、現場の多様な環境活動を『見える化』。取り組みを全国に広げたい」。


竹森鉄専務理事がまとめました。
持続可能な未来のために 2つの講演から
地球に生かされていること忘れずに
環境脳神経科学情報センター副代表 ⽊村︲黒田純子さん

基礎研究者として、有害化学物質が生体に与える影響を研究してきた。
地球の歴史を1年に例えると、わずか0・5秒の間に人間が作り出した2億種類もの合成化学物質が今や私たちの脳や胎児にまで忍び込み、深刻な健康被害をもたらしている。
特にマイクロ・ナノプラスチックやPFASといった物質は、一度環境に出れば回収が困難な「負の遺産」。
たとえ微量であっても私たちのホルモンバランスを崩し、次世代を担う子どもたちの発達障害や、癌のリスクを高める要因となっている。利便性ばかりを優先し、成分が不明な添加剤を大量に使い続ける現在の社会のあり方は、極めて危ういと言わざるを得ない。
これ以上の汚染を止めるためには「大元の蛇口を閉める」 │プラスチックの生産量を削減し、有害な化学物質を徹底的に規制・禁止することだ。
人間は自然や生態系のごく一部であり、地球環境に生かされている存在であることを忘れず、子どもたちの健康と持続可能な未来を守るために、個人レベルでの対策とともに、社会全体で法規制を求める行動を一緒に起こしていこう。
「道徳ある経済」 共に創ろう
アミタホールディングス株式会社代表取締役会長 熊野英介さん

40年以上にわたり、社会課題を事業として解決する「ソーシャルビジネス」を実践してきたが、現在の資本主義は、換金可能な資産ばかりを重視し、「自然資本」「人間関係資本」といった、最も大切にすべき無形の資本をないがしろにしている。
皆さんに伝えたいのは、これからの時代は「マイナスをゼロにする課題解決」に留まらず、「ゼロをプラスにする価値創造」へと踏み出すべきだということ。
地域に眠る未利用の資源や、一見価値がないとされる「ゴミ」、あるいは「孤独」といった社会課題こそが、実は新たな価値を生む「種」になる。それらを資源化し、信頼でつながるコミュニティを再構築すること自体が、強力な経済的基盤(資本)となる。
地球環境の「ティッピング・ポイント(限界点)」は、あと5年ほどで訪れるといわれている。この危機を乗り越えるためには、工業社会型の効率化から脱却し、「生活者が生産者になる」という意識変革が必要。ワーカーズコープの皆さんは、単なる労働者(レイバー)ではなく、関係性を編み直す「資本家」として、地域の中で「恩送り(ペイ・フォワード)」の連鎖をつくってほしい。
一人ひとりが「自分らしく生きること」が、結果として社会を幸せにする、そんな「道徳ある経済」を共に創り上げよう。(以上、文責編集部)
今年も開催 エシカルマルシェ
会場では、ワーカーズコープ連合会の会員組織によるエシカル(=人や地球にやさしい)マルシェも。その一部を紹介します。



