5月9日、北本に集まろう 小農・森林ワーカーズ全国交流フォーラム 決起集会 みんなでつくって みんなで食べよう!

本紙 福本

 小農・森林ワーカーズ全国交流フォーラム(決起集会)が5月9日、埼玉県北本市で開かれます。こぞって参加を。

すべての仲間が関わろうと

 店頭からお米が消えた――。命に直結する、日々口にする食べ物が、いかに危うい状態に置かれているかを実感させられる出来事でした。日本の第一次産業や地域社会は、グローバル資本主義や気候変動の影響により、かつてない困難に直面しています。

 私たちは2011年の東日本大震災を機に、自分たちの手で食とエネルギーとケアをつくる「FEC自給圏」の創出を掲げ、歩みを進めてきましたが、農民作家・山下惣一氏の「小農」の思想に出会い、大きな衝撃を受けました。

 それ以来、「すべての働く仲間が、協同労働を通じて農や森林、第一次産業に関わろう」と呼びかけ、2020年11月に「小農・森林ワーカーズ全国ネットワーク」を発足させました。

農業講座のたすきつないで

 同年12月、「労働者協同組合法」の成立を経て、地域に根ざした持続可能な仕事と暮らしを創り出す運動がいよいよ求められる中で、「農業講座」を2023年、鹿児島・霧島からスタートさせ、山口、愛知、そして小田原へとたすきをつないできました。

 この全4回の講座は、単なる技術習得ではなく、鶏や合鴨を自らさばき、「いのちをいただく」体験を通し、人間の生きる本質を問い直し、農を通じて地域づくりや仕事おこしに本格的に挑戦する中心的な仲間を育成することを最大の目的としてきました。

 この学びの中で得た共感と感動の連鎖は、全国150カ所以上の事業所へと波及しています。保育園児が土に触れ、「たくましく生きる力」を育む子育ての現場、農作業が心身の復活や「役割」と「居場所」を生み出す障がい者・高齢者福祉の現場、そしてワーカーズコープ山口のように「仲間の自給」から「地域全体の自給」へと、米づくりの活動が広がる実践など、あらゆる現場が「いのち」を真ん中に、農で結ばれ始めています。

力強く前進、「決起の場」

 本フォーラムでは、哲学者・内山節(たかし)氏を講師に迎え、市場原理や効率性が優先される社会の中で、かつての日本の村々にあった「結(ゆい)」のような協同の文化が、失われた共同体を取り戻す力にいかにしてなるのかを深め合います。

 今回の集会は、「小農」と「協同労働」を結びつけた、これまでの「小農・森林ワーカーズプロジェクト」の歩みを中間的に振り返り、各地の実践を共有するとともに、全国展開に向けた運動をさらに力強く前進させるための「決起の場」です。

 効率やお金の物差しを外し、子育てから高齢者福祉までが農とつながる豊かな地域と、新たな働く場を自分たちの手で創り出すために。全国の仲間と共に、未来を切り拓く一歩をここから踏み出しましょう。

内山 節氏が講演「農と協同」

•日時:5月9日(土)12時半~17時(12時開場、マルシェ開始)
•会場:埼玉県北本市文化センター
•参加費:無料、定員500人

•プログラム内容(予定):
1.基調講演「農と協同」 講師:内山 節 氏(哲学者)
2.基調提起
3.各地の実践報告
(労協ワーカーズコープ山口、センター事業団国分ほのぼの・深谷とうふ工房・山口宇部、地域協同組合無茶々園、滝瀬塾、903シティファーム)
4.集会宣言(全国展開に向けた今後の展望)
5.交流マルシェ(ロビーで各地の産品販売)

【主催】 日本労働者協同組合連合会
【共催】 労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団、一般社団法人日本社会連帯機構、さいたまフロンティアネットワーク
【協力】滝瀬塾

埼玉・北本

滝瀬塾2年目開始

土壌を整備

大豆とじゃがいも植え付け

 2024年11月に埼玉県で開催された「第6回地域おこし名人・達人サミットin桶川・北本」を機に発足した、農業を一から学ぶ「滝瀬塾」は2年目の活動に入りました。

 サミット発起人の一人で元埼玉県議会議長の滝瀬副次さんが北本市内に有する畑の一角を借りて、野菜作りに取り組んでおり、3月15日の土壌整備にはワーカーズコープの仲間や地域の人など12人が参加し、じゃがいもと大豆の植え付け作業を行いました。

 土壌整備は、やはりサミットをきっかけに立ち上がった「ポールdeウォーク桶川界隈(かいわい)」の活動で知り合った元桶川市議の新井孝雄さん(家業が農業)が、自前のトラクターで燃料代を含めて無償で行ってくれ、掘り返した土の中から出てきた虫などを食べに、カラスやセキレイが一目散に飛んでくる春の風物詩も。

 整備後の土壌には、大豆を植え付ける場所に土壌pHを改善する苦土石灰と土壌に栄養分を補給する鶏糞(けいふん)、じゃがいもの場所には鶏糞だけを撒きました。

 大豆は、豆から作る味噌づくりに取り組む深谷の仲間から1㎏3千円で購入。

 じゃがいもはキタアカリと男爵。「キタアカリは甘いからコロッケにするとうまいねぇ」「私はさっぱりしている男爵派」などとおしゃべりしながら、6㎏の種イモを半分に切って断面に灰を付ける作業。

 耕運機での畝(うね)作りはハンドリングに困難を感じながらも(故障か?誰も理由がわからず)何とか畝を立て、およそ足のサイズ(30㎝)間隔で、浅目の土中に大豆とじゃがいも(断面を上、下2通り)を植えて終了しました。(本紙 福本)

耕運機で畝作りに汗を流す

山形県長井市の有機農家 菅野芳秀さん

小農・森林ワーカーズ全国ネットワーク呼びかけ人に

 山形県長井市の有機農家で、「長井レインボープラン」や「令和の百姓一揆」などで知られる菅野芳秀さんが、小農・森林ワーカーズ全国ネットワークの呼びかけ人に加わりました。

 2月26日、にいがた協同ネット共同代表の伊藤亮司さん(新潟大学農学部助教)と、同ネットメンバーで小千谷(おじや)市の百姓、堀井修さん、ワーカーズコープ連合会小農・森林ワーカーズ担当の渡口(とぐち)政也さん、本紙本田真智子が、菅野さん宅を訪問、懇談しました。

 菅野さんは、米と平飼いの養鶏、納豆を中心にした農業を営んでいます。

 無農薬での米作りを生協と連携して進めてきました。

 また、地域住民の家庭で出る生ごみを堆肥にし、その堆肥を農家が利用。その堆肥で栽培された農産物を、地元消費者に届ける地域内循環のレインボープランを立ち上げました。レインボープランは消費者も農業に関わるという意味を持っています。

 さらに、食と農とエネルギーを基本に自給度の高い循環型社会をつくろうと、山形県南部での「置賜(おきたま)自給圏構想」を推進。この構想は神奈川県小田原市を中心にした足柄地域に広がろうとしています。

 菅野さんが渡口さんからワーカーズの取り組みを聞き、「自分が目指しているものと同じだ」と、呼びかけ人に名を連ねることを快諾してくれました。

左から伊藤さん、本田記者、菅野さん、堀井さん、渡口さん
菅野さんに「お昼を食べていない」と言うと、小豆と大豆を入れた玄米と、平飼い鶏の卵を振る舞ってくれた