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三つ峠山頂で思い巡らす

連載No. 52 号
村上 拓
三つ峠山頂で思い巡らす
出歩くのが好きで、たまに山に行く。  今回目指したのは山梨県河口湖近辺に座する三つ峠山。富士山に程近く、眺望の良さや古くから修験道の霊山として知られている。  11月初旬。その日は気温も適度で快晴。実に運動日和な一日であった。登山口からして標高がスカイツリーの高さを超える中、山裾の木の葉も都心に先駆け色づいている。「熊注意」の看板に戦々恐々しつつウォーミングアップをして足を踏み入れていく。  引きこもっていた頃には、自分が山登りをするようになるとは少しも思っていなかった。それが今では、休日にこうして体を動かすことを楽しみにしている。  自分のペースで目の前のことに集中できる山登りは、案外うってつけの趣味であったのかもしれない。それにしても5年後の自分ははたして何に没頭しているだろうか。そんなことをつらつらと考えながら秋の山腹を登り抜け山頂に辿り着いた。遠く静岡や長野まで開けた一面の絶景と、冠雪が煌めく富士山を見てしばし一休みである。  ひたすら体を動かしたのだからお腹が空く。とはいえ、この後の運動も考えるとあまり多くは食べられない。狭まった山頂から場所を移し、軽めの昼食だけで...
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