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自己責任論と「個人的なことは社会的なこと」

連載No. 7 号
朝倉景樹
自己責任論と「個人的なことは社会的なこと」
 教育社会学者で「TDU・雫穿(てきせん)大学」代表の朝倉景樹さんが、現在の子ども・若者を取り巻く状況や、世界のデモクラティック教育に触れながら、これからの教育や社会、労働のあり方に言及します。
日本人人質事件きっかけに

 「自己責任」という言葉が広まったきっかけは、2004年にイラクで起きた日本人人質事件だった。当時、現地で武装勢力に拘束された日本人3人に対し、自己責任という言葉が執拗に浴びせかけられた。

 辞書によると、「自分の行動の責任は自分にあること」(小学館「大辞泉」)とあり、子ども・若者にとっても、身近な言葉になっている。

 人はそれぞれの人生で、思うにまかせないことを経験する。経済的に恵まれない家庭環境で育ち、アルバイトで家計を支えたり、就活で百社以上にエントリーしても就職できなかったなどの話は珍しくなくなってきているが、こうした境遇に置かれたときにも「自己責任」が登場する。

 就活がうまくいかず、何社受けても箸にも棒にもかから...
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