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11 自動車業界から林業へ 後継への苦慮
連載No. 11 号
林業家・日本社会連帯機構理事 辻村百樹
覚悟決め、知識も乏しい未知の世界へ
21世紀を迎え、世界は共存と繁栄に向かうかに思われたが、2001年のアメリカ同時多発テロを機に国際情勢は再び混迷の渦に巻き込まれてゆく。
そうした時期に私の属する自動車業界も、業界地図が激しく塗り替わる激動の時代を迎えつつあった。一方で我が家の状況に目を向けると、父は元気であるものの90才を迎えようとしており外向きの仕事は難しく、山の番頭も高齢に差し掛かかっていた。
海外駐在から戻った後も仕事に忙殺され、山の状況を顧みる余裕はなかったが、木材価格の下落は続き、将来の展望がまったく見いだせない厳しい業界であることだけは、頭の片隅で意識していた。
勤務先の経営環境も厳しく、自らの将来も見通せない中、いずれの混迷も打開せねばならないならば、自家の歴史をつなぐ後継の道へと転身するしかない―そう覚悟を決め、人生の大きな舵を切った。
しかし、幼い頃から憧れ、天職と信じて打ち込んできた自動車ビジネスに比べ、本来「天職」であるべきはずの林業は、知識も乏しい未知の世界であった。
自然の中でビジネス感覚を活かす
森人の第一歩として、まず番頭と共...
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