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子どもの権利からみた不登校(下)
連載No. 79 号
TDU・雫穿大学代表 朝倉景樹
教育社会学者で「TDU・雫穿(てきせん)大学」代表の朝倉景樹さんが、現在の子ども・若者を取り巻く状況や世界のデモクラティック教育に触れながら、これからの社会や労働のあり方に言及します。
尊重されない子どもの声。不登校の進路選択
子どもの権利条約で重要概念としてよく紹介されるものとして、子どもの最善の利益(第3条)と意見表明権・自己決定権(第12条)がある。
しかし、不登校の子どもの場合、特に進路選択の場面でこの権利を尊重することが難しい。実際、こんな事例があった。
フリースクールに通っていたある中学生が卒業前、「学校に行くのは無理。高校には行かず別の道を考えたい」と親に打ち明けた。
親はこれまで子どもの意思を尊重してきたが、この時ばかりは「中卒で生きるなんて不憫(ふびん)だ。受験だけでもしてみては」と促した。
その子どもも拒みきれず、進学の流れに巻き込まれた。「行かない」と言い出せなくなった子どもは受験し、入学後わずか1週間で通学を断念。
その後、ひきこもりや摂食障害、強迫神経症を発症し、体重は30キロ台に落ち、医師から入院勧告を受けるほどの状態に陥った。
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